斉場御嶽
沖縄で特にエネルギーの強い場所と言えば、御嶽です。御嶽とは、村落の祭祀を行う場所のことです。御嶽には生命を現世に与えた神が、はるか昔にこの場に降り立った、と語る神人がいます。御嶽の特徴は、「深い森」「巨大な岩」「水」で、この三つの条件が揃った場所に神は現れやすいと言われています。沖縄には村ごとに御嶽があり正確な数はわかりませんが、その中で最大の御嶽は、知念村にある斉場御嶽です。
斉場御嶽は、200メートル四方ほどの深い森の中にあります。入口からメインの参道がくねりながら走り、その所々に御前と呼ばれる祈りの場があるという構造です。入口の階段を上りきると最初の御前「御門口」(聖地への入口)があります。そこからの雰囲気が違うのです!日常とは違う暗さがあり、まるで人間と神の世界を分けているかのようです。そこからは、森の中を蛇行しながら続く石畳の一本道を進んで行きます。100メートルほど行くと道が突然開け、巨大な岩が現れます。ものすごい大きさのその岩は、御前の一つ、大庫理です。左にしばらく進むと、道の両側に巨石が立っていて門のようになっています。そこをくぐると寄満と言われている広場になっているのです。そこは大庫理よりもしっかり設けられた祈りの場があり、線香と盛り塩もあります。それが一層神聖さを強く主張しています。来た道を戻りもう一つの明るい道を進むとその奥には斉場御嶽で最も有名で神聖な場所があります。
三庫理と言われるその場所は、真っ直ぐに切り立った巨石の一方がもう一方にもたれかかり、美しく巨大な三角形を描いた景色です。その巨石をくぐり抜けると森の木々がぽっかりと穴をあけていて、その向こうに神の島・久高島を眺める場所があり、海の向こうに日の当たる久高島が美しく見ることができます。
斉場御嶽では、参道の所々にある神の場所「御前」の一つ一つに祈りを捧げ、最後はその祈りを久高に投げるそうです。
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